エシカルなひと、もの、ことインタビュー<草木染め布ナプキンuka・uka( ウカウカ :森企画)さん>
心を込めて作られた天然草木染めの布ナプキンで女性を元気に
札幌生まれの布ナプキン「uka・uka」の、染子(菅原千香子)さん、縫子(小池佐和子)さん、売子(谷口千夏)さんにインタビュー(写真右から染子さん、縫子さん、売子さん)。
トモエ幼稚園での「出会い」がきっかけ
―布ナプキンを作りはじめたきっかけを教えてください
縫子「トモエ幼稚園が原点で、そこは親子で通える珍しい幼稚園なんですよね。親、教師が助け合って、子どもたちと共に豊かな感性を育ち合える生活環境をつくろうとしている場なんです。そこでは、バザーなどもよく開催されていて、そこで布ナプキンを売っている卒園母もいて…。最初は見ている側だったんです。」
売子「リサイクル布でできた布ナプキンを売っているのを遠目にみていたんですよね。本当に大丈夫かな、とかエコの為だけにはできないな、とか思っていました。でも実際に使ってみて、『これ、いいかも』と思ったんです。まずはかぶれや不快感がないという所から良さを実感したんですよね。それから本を読んで、布ナプキンの魅力を頭から理解していきました。調べていくと、ネル素材が良いことや、染めたほうが汚れ落ちしやすくなることも分かって、染めができる人がいればいいなぁと思っていたんです。」
染子「私は、もともと障がい者施設で草木染めを教えていて、その経験をどこかで生かせないかなぁと思っていたので、染めができる人を探しているということを聞いて『私できるよ!』と申し出ました。ちょうど、布ナプキンにも興味を持ち始めていたので、すごく良いタイミングでした。最初はトモエ幼稚園で染めていたんです。周辺で子ども達に取ってきてもらったタンポポやヨモギ、玉ねぎの皮を染料にしたりして。」
売子「最初は切ったり縫ったりするのは私がやってたんですが、適当だったんですよね(笑)。それでもバザーでは売れて、反響がすごくて。その頃ほとんどのお母さんが使っていたと思います。」
縫子「当初、私にはまだ小さい子がいてほとんど関われていなかったのですが、見ていて切り方や縫い方がゆるせなかったですね(笑)。私は、もともと裁縫が好きで、授乳服や子ども服を作ってバザーで売っていたので、いずれ幼稚園に通いながら仕事したいという想いもありましたし、この布ナプキンなら『売れるかも!』という自信が段々ついてきて、外に売り出そうという気持ちになりました。」
染子「それまで広げたいなーという気持ちだけだったのが、縫子さんが入ってきたことで『仕事』になりましたね。危なく思い出になるところでした(笑)。」
―それぞれの得意分野が見事に生かされていますね。
縫子「今は8人のグループですが、それぞれの個性を生かしています。適材適所になっていますね。「染色」「縫製」「販売」以外にも、説明書を絵が描ける人にお願いしたり…。人間関係がベースにあるから、お互いに信頼し合えるし、お互いの得意不得意がわかる。だから他ではマネできないと思います。」
―天然染料での染色ということですが、色合いがとてもキレイで可愛いですよね。
縫子「最初は茶色や黄土色しかなかったのですが、かわいいの作ってと言われて、ピンクの天然染料を使いはじめて、それが大好評で。それから色を増やしていきました。色が増えることで外でも売れるようになりましたね。最初は『知恵の木』さんで売っていただけることになって、今では札幌市内を中心に約20店舗で販売していただいています」
染子「天然の草木染めなので、一度きりしか出会えないさまざまな色に出会えるのが嬉しいです。それを通して人にも出会えるというのがまた嬉しい。色はいつも研究中です。思ったような色が出ないこともよくあり、時間のかかる大変な作業ですが、まだまだ新たな色をつくりたいですね。いつも染めの時は1m四方の大きな布を扱っているので、出来上がった製品をみるといつも感動します。」
縫子「布の色に合わせて糸を選ぶのですが、その色合わせも楽しいです」
染子「縫う技術がとても素晴らしくて、染色した布を更に引き立ててくれるんです」
売子「見た目が可愛いとテンション上がりますよね」
布ナプキンをまずは試してほしい。変化を感じられるはず。
―一度も布ナプキンを使ったことがない方へアドバイスをお願いします
縫子「紙ナプキンと併用でもいいのでまずは試してほしい。布ナプキンを使うことで生理のマイナスイメージをなくしてほしいです。生理が楽しみになったり、苦ではなくなりますよ。人によりますが、生理痛が和らいだり、かぶれなくなったり、冷え症が改善されたり…。若い方にこそ知ってほしい」
売子「子宮が元気になることで、いろいろな面が元気になります。順調だと体調もよくなって、イライラもなくなる。イライラがなくなると周りも元気になる…。そんな風に身近なところで変化があると思います。」
染子「布ナプキンを、生理の一番大変な日に使おうとするから不安になるんですよね。そうでなくて、最初はお風呂上がりや生理の終わりかけに使ってみるだけでもいいので、できそうなところから始めてみてほしいです」
縫子「あと、今まで石油系原料の紙ナプキンを使っていたんだ、ということに気づいて、そこから食べ物や身の回りのことの安全性にまで意識がいくようになったらいいですよね。」
―布ナプキンが少しずつ増えてきていますが、uka・ukaさんの布ナプキンの特徴は
売子「『ネル素材(コットン100%)』なので吸収力があり心地よい肌触り、そして『染め』によって汚れが落ちやすくなり、見た目も可愛い。そして『形』にもこだわっていて、洗いやすく乾きやすいんです。これらすべてにこだわれるのは人数がいるからこそです。uka・ukaのものでなくても、布ナプキンを選ぶ際には、『ネル素材、天然染料、形』という3つのポイントを押さえてほしいですね。」
―「漏れたらどうしよう」「洗うのが大変そう」という悩みがある方にとってとても重要なポイントですね。
今後の目標。そして幸せとは
―今後の目標などはありますか?
縫子「学校でも説明してほしいですね。小学校では、まだ紙ナプキンのことしか話されていないことも多いので、選択肢の一つとして布ナプキンを紹介してほしいです。それで布ナプキンが『常識』になったらいいなと思います。今は一人ひとり対面で説明しなければなかなか買ってもらえないものですが、説明なしで売れるようになるのが目標ですね。あとは、仲間を増やしながら、ずっと自分たちで作っていきたいです。子育てしながら社会とつながれる場でもあるので、このような活動を広げていきたいですね。」
―最後にお聞きします。みなさんにとって幸せとは
売子「心も体も健康でいること」
染子「感動すること。小さいことでも大きいことでも」
縫子「どんなことでも楽しめるようになること」
○uka・uka
草木染め布ナプキン
ふつうの日用(M)3つ折り(右) 1,500円(税込み)
ボタン付ライナー(左) 1,000円(税込み)
コットン100%のネル生地、天然草木染め、形にもこだわり、吸収力と使いやすさ抜群の布ナプキン。心を込めて作られています。
ネットショップ:http://ukauka.shop-pro.jp/
購入できる場所:自然食品店等 ホームページ取り扱い店舗参照
森企画
子育て中の母達の仲間8人で運営。
布ナプキンuka・ukaの企画・制作、ワークショップ等の開催
ホームページ:http://www.uka-uka.com/
○自然素材○身体に良い
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・ファーム伊達家