エシカルなひと、もの、ことインタビュー< AGT (米屋Bey-Bey・カフェ日びの) さん>
無農薬・無肥料で作られたお米でもっと「キレイに」「健康に」なってほしい
無農薬・無肥料にこだわったお米や食品を販売する「米屋Bey-Bey」と食養レストラン「カフェ日びの」を営む AGT 店長の右川将矢さんにインタビュー。
「人が集まる場所」としてのカフェから「食養を伝える」カフェへ
―まず、2001年にオープンし、2度の移転を経て今のAGTに至るとのことですが、最初のきっかけは
「AGT((有)MOKU)の代表である奥村大亮の話になりますが、彼の妹が神戸の震災で被災して助けに行った時に、実際に現場を見たら何もできなかったということが強く心に残っていて、もし北海道だったら、家族や周りを助けられるだろうかと考えて、『周りの人を助けれられる環境・人が集まる場所を作りたい』と思いまずはカフェを作るに至ったんです。」
―「人が集まる場所」としてのカフェだったのですね。その当時から現在のように食養論を重視していたのでしょうか。
「いえ、その時は普通のカフェでした。その後、代表奥村のお父さんから長岡式玄米の話を聞く機会があったり、カフェに来ているお客さまから「玄米を出してほしい」という声が増えてきたそうで。これは何かの知らせかなと思い…、その時に冨田 哲秀先生(東洋思想・食養研究家。冨田式七号食を提唱)を紹介していただき、そのお話がとても腑に落ちて、玄米ごはん中心のカフェに変えていきました。」
―そして2011年に現在の場所にオープン。
「『米屋Bey-Bey』を1階に構え、米屋をメインにしたお店にしました。2階の『カフェ日びの』は米屋が営む飲食店というイメージで、無農薬・無肥料で作られた美味しいお米を実際に試食することができる場です。『食べてキレイに、健康に』をコンセプトにしています。マクロビ、ビーガン専門だと興味がある人にしか食べられなかったり、楽しさが少なくて続けられなかったりすることもあると思いますが、ここでは楽しさも重視して、食に興味がなかった人でも意識するきっかけになればと思っています。食べ物で運命が変わりますよ。」
「まちおこしをしたい」という想いの実現
―そもそも現在店長である右川さんが働き始めたきっかけは
「僕は大学の時に『地域経済学』を学んでいて『まちおこし』に関わる研究をしていたのですが、就活の時に、どこの企業を受けても『何か違う…』と感じていたんです。そんな時に、たまたま友人から『奇跡のリンゴ』(著者:木村秋則)をおすすめされて。読んでみると、今まで本をほとんど読まなかった僕が半日で読んでしまったんです!すごく衝撃を受けて、『これだ!』と思いました。『自然栽培の農業をしてまちおこししたい』と思いはじめたんですよね。」
―はじめは農業をしたいと思っていたのですね!
「それから、実際に木村秋則さんに会いに行ったんです。フェリーで青森まで。でもその旅もさんざんで…(笑)。結局すれ違いで木村さんに会うことができなかったんです。ちょうど木村さんが札幌に来ていたそうで…。来ていた場所がAGTだったんですよね。そうして僕が札幌に戻ってきてAGTの代表である奥村さんに会ったんです。」
―そこでAGTとの出会いがあったのですね。
「それから一緒に洞爺に通い、お米作りの手伝いを行いました。その後、『ここで働かせてください』と申し出てAGTのスタッフとして働き始めました。最初の2年間は洞爺でお米作りをしていて、このお店が移転オープンするタイミングでこのお店へ。自然栽培であれば環境にもいいし自分たちも生き物たちも元気でいられる。それが広がれば結果的にまちおこしにつながると思っています。」
―当初やりたかった『まちおこし』に繋がっていて素敵ですね。
こだわりのお米と生活を豊かにする雑貨で日々を更に楽しく
―「米屋Bey-Bey」で扱う米について詳しく教えてください。
「玄米を中心としたオリジナルのお米が10種類あります。北海道の農家さんと直接契約して無農薬・無肥料で作られていて、木村さん((株)木村興農社)の作ったお米もあります。玄米が苦手な方にも提案していきたいですね。女性の方には割と食べていただけるのですが、旦那さんや子どもが玄米を食べられないという場合も多いので、白米をブレンドして食べやすくしたものもあります。『ポリッジ』など食べてキレイになる料理や食べ方を2階のカフェで提案していますし、おにぎりのテイクアウトも行っているので時間がない方にも食べていただけたらと思っています」
―「米屋Bey-Bey」ではお米はもちろん、セレクトショップのようになっていますね。選ぶ基準は
「安心して食べられるもの、ですね。昨年から雑貨も取り入れていて素材にこだわっています。伝統工芸を中心に、安心できて、自分が使って『楽しい』と思えるもの、生活が豊かになるものを選んでいます。楽しくて、結果的に地域や環境によくなったらいいですよね。」
―それってとても「エシカル」な考え方だと思います。イベントも頻繁に行っていますね
「春から秋に毎月開催される、農家さんの野菜を販売するマルシェや、食や健康に関する講座など、さまざまな情報を発信する場として活用していただきたいです。」
-今後の夢などはありますか?
「村をつくりたいんです。洞爺・真狩界隈につくりたいと思っています。地熱があり、水があり、いくつかのエレメントが揃っている地なので震災など災害があったときにもみんなを守れる場所であり、レジャー要素もある遊べる場所をつくりたいです。」
―大きな夢ですね。ぜひ実現してほしいです!
幸せとは
―右川さんにとって幸せとは
「周りの方の幸せな姿を見るのが僕の幸せです。」
AGT(米屋Bey-Bey・カフェ日びの)
「無農薬米」の米屋と「キレイ」がテーマの自然食カフェ。
住所 札幌市中央区南16条西4丁目1-10
電話番号 011-552-3729
営業時間 11:30〜18:00
定休日 年末年始
HP:http://www.itadakimasu-jp.net/
○有機・オーガニック ○マクロビオティック ○環境に配慮
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