エシカルなひと、もの、ことインタビュー< Olha(オルハ)2号・barNAYA (バルナヤ)さん>
『Eat REAL food, Make a better future.』ピザを通して本物の食、楽しい未来を考えるきっかけにしたい
札幌や道内各地を巡るオーガニックピザの「移動販売Olha(オルハ)2号」、鵡川でお店「barNAYA(バルナヤ)」(2016年12月オープン)の運営をされている細野仁志さんにインタビュー
『楽しい道』を追及していくうちに移動販売、そして納屋を改装したピザ屋さんに行きつきました
―ピザ屋さんを始めようと思ったきっかけは
「元々大手自動車会社で10年ほど働いていたのですが、かなりのストレスで精神的に病んでしまったことがあって、それを機に退職して、別のことをしようと思ったんです」
―辛い経験をされていたのですね。
「辞める時に、この先何かがあったときは『楽しい道しか選ばないぞ』と決めたんですよね。それで、ピザって楽しいな、石窯で焼けたらもっといいな、移動販売だったらもっと楽しい、DJがレコードを回しているところでピザを回してたら楽しいな(「バルナヤ」ではライブイベントも行われる)…という風に選んできました。」
―『楽しい』を選択の基準にしてきたのですね。
「あとは出会いですね。飲食業をやりたいなと思ってお店で働いているうちに近所のピザに興味を持ち、石窯のピザ屋で修行して、その後、地元鵡川の就労支援施設『むかわ夢風船』さんからお声がかかって、そこでピザ作りをしてきました。今でも『むかわ夢風船』さんには、レシピを渡し、当店のピザの生地を作ってもらっています。」
『オーガニック』や『本物の食』を考えるきっかけづくりがしたい。
―そしてピザの原材料を厳選されたオーガニックにするなど強いこだわりが感じられますね
「マルゲリータやマリナーラなど9種類ほどのピザを提供していて、基本的にすべて+300円でオーガニックに変えられます(季節によってできないものもあります)。例えばオーガニックのピザはスペルト小麦(普通小麦の原種にあたる古代穀物。アレルギーを発症しづらい)を使い、チーズも興部アドナイチーズ工房さんに特注で作って頂いたものを使用、その他の素材は有機栽培・自然栽培の野菜やストレスフリーで育てられた肉、有機の酵素が生きた調味料を使っています。選択できるようにしているんです。少し高くてもオーガニックで身体や環境にいいものを選ぶか、農薬や添加物が入っているものを選ぶか、どちらがいいですか?って。たとえその時選ばなかったとしても、少しでも記憶に残ってくれれば嬉しいです。」
―面白いですね。今まで考えたことがなかった人や何気なく食べようと思った人もオーガニックについて考えるきっかけになりますよね。
「最近、スローガンを作ったんです。『Eat REAL food, Make a better future.(本物を食べることがより良い未来を作る)』。これは、一般社団法人SEEDS OF LIFE(在来種の種を守る活動)設立の社会起業家ジョン・ムーアさんの言葉から発想を得て作りました。彼は『リアルフードを選択することが本物を作ることの資金源になる』とおっしゃっていたんです。そこから作ったこのスローガンをTシャツなどにプリントしてさりげなくアピールできたらと思っています。だから覚えやすくてキャッチーな言葉にしました。」
―まさにそうですね。「エシカル消費」とつながりますね。広がるといいですね!
「粋ラボラトリーの石田香織さんの活動(2003年から毎年5月3日にゴミ拾いイベントを行っている)がすばらしいと思って、自分も鵡川で5月3日にゴミ拾いをしたんですが、地球上でゴミを出すのは人間だけだなぁ、と思うのと同時に、だからこそゴミを拾う責任があるし、その前にゴミを出さないことが大事だと思ったんですよね。だからリユースなど自分のできる方法を実践していかなければ…と思っています。ピザの皿やテイクアウトの箱もできる限りリユースできるように声かけしています。みんなにマネしてもらえるような発信をしていきたいなと思っています」
―すぐに行動に移して発信しているところがすごいです。
楽しい未来にするにはお金だけでない価値循環が必要
「楽しい未来にするにはもうひとつやりたいことがあって、それは『物々交換』とか『地域通貨』なんですよね。『お金』を使うとどうしても『儲ける』という考え方になってしまう。そういう性質があると思うんです。人を騙してでもという邪心が残ってしまう。すべて経済優先でまわっているからオーガニックや本物が少なくなってきているんだと思います。物々交換はそういうのを無くせるんじゃないかと思っています。例えば僕であれば厳選した素材でピザを作れるので、野菜がほしい時にこだわり農家さんにお金ではなく『ピザ払い』をするとか…。それぞれの得意分野で交換し合えたらいいなと思います」
―面白いアイディアですね。人と人とのつながりも深くなりそうですよね。それにしても、細野さんは経済学的な問題まで深く考えていらっしゃいますね
「もともと大きな企業にいてリアルな現状を目の当たりにしてきたこともあって、考えるようになったんだと思います。だからすべてが今に生かされているんですよね。今までの経験すべてがプラスになっています。あともう一つは水道、ガス、電気も支配されているから、非電化にしていくことも必要なんじゃないかなと思います。バルナヤでは現在もストーブや石窯などは薪を使用していますが、ゆくゆくは一切電気を使わずに運営していきたいですね。Off gridでピザを焼くお店という風に認知されたらいいなと思います。」
―今後は移動販売とお店の2本柱ですね。
「今後は移動販売もやりつつ、更にお店バルナヤの方に力を入れていきたいと思っています。お店では有機コーヒー、ジュース、お酒、ヴィーガンアイスなどもあってメニューが豊富ですし、納屋を改装したお店の天井一面に手作りのドライフラワーが飾られているところもポイントです。そしてテーブルやバーカウンターも手作りでコーティングも蜜蝋で行っており身体に優しい作りになっています。あとはライブも時々行っており、DJやミュージシャンの方に来ていただいています」
―周りは自然に囲まれ、店内も良い素材ばかりでとても落ち着く空間ですよね。そして絶品の料理が頂ける。これは札幌からも足を延ばして行く価値あると思います。とはいえ、札幌からなかなか行けない方もいるかと思いますが、移動販売の方は札幌にどのくらいの頻度で来られていますか?
「札幌には月3回くらい行っています。自然食品店まほろばさんでも不定期で販売させていただいています。詳しくはfacebookやHPのスケジュールでアップしています。」
―さまざまなイベント実行委員などもされていますね
「フェアトレードフェスタの実行委員会、ノマドキャンプ(厚真で行われる大自然の中で音楽とキャンプを行うフェスイベント)の副代表、鵡川の恐竜ワールドセンター理事などをやらせて頂いています。」
―本当に活動的ですね!ノマドキャンプは6月24日、フェアトレードフェスタは7月1日・2日、むかわ恐竜アカデミアは8月5日~20日とイベントが目白押しですね。楽しみです。
幸せとは
―それでは最後の質問です。細野さんにとって幸せとは
「一生みんなで笑っていられる世界」
barNAYA(バルナヤ)
住所:北海道勇払郡鵡川町田浦994
電話:080-6096-0808
メール:barnaya78@gmail.com
営業時間・定休日:不定休のため、事前にご連絡ください。
(イベント出店等のスケジュールは下記ホームページでご確認ください)
ホームページ: http://barnaya.web.fc2.com/
Facebook:https://www.facebook.com/bar-NAYA-373149556110147/
Olha2号
道内各地で移動販売(日程はバルナヤのHPや下記facebookでご確認ください)
Facebook:https://www.facebook.com/Olha.Organic/
<おすすめのお店>
「shijima cafe」