エシカルなひと、もの、ことインタビュー<らる畑さん>
30年にわたり、農と食と暮らしがつながるオーガニックライフをお届け
らる畑代表の橋本早知子さんの娘であり、看板スタッフの橋本まほろさんにインタビューしました。
―およそ30年前にオープンしたということですが、現在代表である、お母さまが創業されたのですか?
「はい。母が、もともと白石区にある『夢屋』というお店(有機野菜と無添加食品を扱っている八百屋)に勤めていて働き甲斐を感じ、もっと広めたいという思いで独立しました。最初は、移動販売車での販売から始まったんです。母は車の免許を持っていなかったので、その為に免許を取得したそうです。」
―すごく行動的ですね。その当時は、オーガニックに関心を持つ方は少なかったのではないですか。
「偶然だったのですが、ちょうど創業の1986年はチェルノブイリ原発事故があった年で、食の安全への関心が高まっていました。なので需要がかなりあり、一人では回り切れないくらいになって、オープンから約3年後にお店を構えることにしたのです。そのころは、生産者も販売者も立ち上がって「食の安全」のために動き出した勢いのある時代でした。」
―そうなんですね。事故のこともあり、意外とその時代は意識が高かったのですね。
「そうですね。そのころから、生活クラブや産直の他、有機野菜や無添加食品を扱う店なども増えましたが、なかなか、どこでも気軽に手に入る環境にはなっていないと思います。最近では、生産・製造者さんにも言えることですが、小さな商いが生き残りづらくなっていて、たたんでしまう所もあります。広がりを持つことや継続することの難しさを感じます。」
―こだわりを持って丁寧に生産・販売されている方が少なくなってしまっている現状はとても残念なことですね…。その一方で最近は、「オーガニック」という言葉を耳にすることが増えましたが、関心は高まっていると感じますか?
「はい。若い世代も増えていますね。欧米から入ってきた「オーガニック」という言葉は浸透していますが、日本の基準である『有機JAS』は意外と知られていない気がします。」
―確かに、「有機JAS」は言葉もマークもあまり浸透していないかもしれませんね。オーガニックが浸透し始めている今、意味をしっかり理解して単なる流行だけで終わらせないことが重要ですね。
実際に食べてみておいしかったもの、そして生産者さんの「思い」が伝わる商品をお届けしたい
―らる畑さんがオープンから変わらずこだわり続けていることは何ですか
「『おいしく、心地よく、シンプルな暮らし』というテーマです。」
―時代とともに変わっていったことはありますか?
「最初は商品の数がすごく少なかったのですが、年々徐々に増えていき、今では1000点ほどあります。昔は冬には野菜がほとんどありませんでしたが、今は鹿児島の農家さんにご協力いただき、冬の品ぞろえも豊富にしています。また、メーカーさんとは長くお付き合いしていきたいため、入れ替えはほとんどなく、定番商品を長く置いています。なので年々種類が増えていくんです。」
―当初野菜のみだったのが、今は日用品や美容グッズもたくさんありますね。商品を選ぶ基準は?
「添加物ゼロというのが基本で、その上おいしいもの・使ってみてよかったものです。生産者さんとは直接やりとりしているものもあり、安心できる商品ばかりです。生産者さんの『思い』が強い商品を特に置いています。」
「気軽に来れるお店」でありたい。そして多くの人に、丁寧につくられた食材を食べてもらいたい。
―どのような方が多く来られますか
「有機野菜やオーガニックに関心がある方はもちろん、肌や髪のことでお悩みの方が駆け込み寺のような感じで来られることもあります。最近は若い人も増えてきています。ふらっと気軽に入れて、自分にあったものをひとつでもみつけてもらえるような店でありたいと思っています。」
―「らる通信」(月に一度発行するらる畑さんからの告知物。ホームページからも情報をみることができる)も内容盛りだくさんで充実していますね。
「旬の野菜や季節のスポット品の入荷状況がわかるよう毎月作成しています。商品の紹介だけでなく、生活にかかわるコラムのようなものも入れています。これを読んで食や健康について考えるきっかけになればと思います。」
―今後はどのような方にどのような思いを届けたいですか、今後実現したいことなどはありますか?
「たくさんの方に、丁寧につくられた食材を食べてもらって幸せになってもらいたいです。今後やりたいことは、らる畑で販売している食材を使って惣菜を作って販売したいなと思っています。最近は生活スタイルが変わってきているので、共働きの方や遅くまで仕事をしていてなかなか家で毎日料理ができないという方に、気軽に食べられる体に良い惣菜ができたらなと思います」
幸せとは。
―まほろさんにとって「幸せ」とは
「『おいしい』というきもちを大切にできる平穏な空間。毎日、仕事が終わって家に帰ってからの食事が本当においしくて、幸せだなぁと感じます。」
らる畑さんらしい答え。生産者さんや加工者さんによって丁寧につくられたおいしいものをじっくり味わう時間って本当に幸せなこと。忙しい毎日の中、そのような時間を忘れていないか改めて考えさせられますね。
オーガニック・自然食品専門店 らる畑
農と食と暮らしがつながるオーガニックライフをお届けするセレクトショップ。
住所:札幌市中央区大通西23丁目2-25ラメール円山1F
電話:011-614-2406
営業時間
10:00~19:00 月~土曜
10:00~17:00 日曜
10:00~18:00 祝日
ホームページ: http://homepage3.nifty.com/raru/
オンラインショップ http://rarubatake.com/
3,000円(税別)以上のお買い上げで配達いたします。
○有機・オーガニック ○環境に配慮 ○フェアトレード
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