エシカルなひと、もの、ことインタビュー< まほろば さん>
健康や安全、自然に配慮した商品から人生の提案まで。「究極の質」を追及し続けてきました。
自然食品から生活用品の販売、独自の商品開発、農場運営をする「 まほろば 」の大橋和則店長にインタビュー。
独自の基準で、商品販売、農業、商品開発など幅広く提案してきました。
―昭和58年にオープンということで、30年以上になるまほろばさん。創業のきっかけは
「社長の宮下周平と妻である宮下洋子(現顧問)が本州から北海道に帰ってきたときに、宮下洋子がマクロビオティックを学んでいたこともあり、その考えを基に健康相談を始め、そのお客様から体に良い食材を頼まれるうちに自然とお店になって行きました。自分たちの生活の延長上から始めたということです。最初は食品販売からのスタートでしたが、自然農園運営、生活用品や浄活水器の開発などに広がっていきました」
―大橋さんがまほろばで働くようになったきっかけは
「私は、創業5年目から勤務しています。当時、実家が農家で私は後を継いでいました。父親が営農指導をほぼ本業にし、講習会をしながら有機資材の販売とその資材を使用して作った農産物を販売する事業も手掛けていましたが大失敗。そこで農産物の売り先を探すため営業をするもなかなか売れず困り果てていた時、たまたままほろばに行き着いたのです。その時、持って行った5件の玉葱をOーリングテストで見事に判定されました。以前に父親が指導していた農家の長ネギを札幌市場でエネルギーが高いと評価している人がいると聞いていましたが、そこがまほろばだったと判りO-リングテストに強く興味を抱きました。その後事業から退き、実家で父親と農業をするも父親と上手くいかず自分の人生をリセットするために札幌で新たな仕事をしようと思っていた時、ちょうどまほろばで求人募集中。社長とO-リングテストによってここで働いた方が良いか実験すると…。それで今に至っています。」
―O-リングテストについて詳しく教えてください。
「O-リングテストはもともと医学分野に限られて使われていたもので、まほろばでは開業当初から商品の良し悪しの判断などに使ってきました。開業数年後からはそこから応用させて0-1(ゼロワン)テストというまほろばオリジナルのテストを実施。今も変わらずそれをまほろば取り扱い商品の基準としています。0-1テストは、体内情報を腕や指の筋肉反射によって感知できるという原理に基づいています。『有機』や『無添加』『国内産』という言葉だけでは安心できないですからね。今は情報に左右されてしまうことが多いですが、そうでなくて五感でもっと感じることが大切です。情報は都合のいいように操作されてしまいますから。」
―生理的反応を基準にしているのですね。0-1テストは誰もができるのですか?
「本来であれば誰もができるはずですが、残念ながら少し難しいようです。まほろばでも特定の人しか行っておりません。」
―0-1テストは農業にも生かされているそうですね
「25年ほど前から農業も行っていますが、それも0-1テストですべて農法を決めています。単に無農薬・無化学肥料というだけでなく、「生命力」という観点がもっとも大切であることを発見してきました。自家採種、露地栽培を実践し、今では年間100種類以上生産しており、多い時期は店内の野菜の8割くらいは自家農場のものになっています。現在は、店の近くにあった小別沢農場から仁木農場に移している途中です。究極の質を求め続けています」
―そしてオリジナル浄活水器、エリクサーも開発したのですね。
「『エリクサーⅡ』という浄活水器は、まほろばを代表する商品のひとつです。さまざまな浄水器を0-1テストで検査していく中で、なかなかおすすめできるものがなくて、だったら自分たちで作ろうと。かなり投資もしたので大きなリスクがありましたが、それでもいいものができるという信念をもって開発しました。結果的に全国各地の多くの方に喜ばれ、公的機関や科学者からも評価を頂き、国際特許取得にも繋がっています。これは0-1テストの集大成でもありますね。せっかくいい食材を買って頂いても水が良くなければビタミン・ミネラルなどの栄養が消えてしまいます。お客さんが『健康で幸せになってほしい』という想いから作りました。水を介して想いが広がっていけばと思っています。」
―開発までしてしまうなんて本当にすごいです。0-1テストには今後も大きな可能性がありますね。
食や生き方自体を見直す人が増えてきているものの、利他的ではなかったり、膨大な情報に左右されていたりすることも多い
―オープン当初に比べると近年では、消費者の関心も高まってきているのではないですか
「特に震災後から、食や生き方自体を見直す人が増えてきましたね。ライフスタイルを変えていこうという人が前に比べて増えています。できればもう少し全体的な視点をもつ流れができると良いですね。例えば、食品を棚から取るときも、世の中の人みんなが前から取っていけば廃棄ロスにつながりますよね。」
―確かにそうですね。まだ社会全体のことまで考えられていることは少ないかもしれません。
「安全なものがほしいという気持ちが強くなればなるほど利己的になってしまうことはあると思います。それでも、安全なものを選びつつ、利他的であってほしいと思います」
―自分のことだけでなく、他の人に配慮したり環境に配慮したり…。それはまさに「エシカル」という考え方とも一致します。
「また、自分自身に自信を持っていないから何でも依存してしまっている人が多いですよね。テレビやネットなどの情報や周りの意見に左右されていますね。自分が本当に何を食べたいのか、何を必要としているのか、本当は心の声を聴くのが一番なんですよね。まずは自分自身を知ること、客観的に自分をみることをしてみるのがいいと思います。」
―確かに自分自身の声に耳を傾けることが少ないですね。
「日本は、幸せの価値観をはき違えていることが多いと思います。まほろばが30周年たったとき、社長が言った言葉が印象的でした。『右肩下がりでもいい。一人ひとりが幸せかどうかが大事。一人ひとりが幸せじゃないと周りを幸せにできないから』と。実際には右肩下がりではなかったのですが、不幸せになるくらいなら売り上げは気にしなくていいということでした。」
―それは、まほろばさんの理念のひとつである「小国寡民」とも繋がっていますね。
「老子の考え方ですが、『国は小さく、民は少なくあるべし』ということです。今は物や情報が溢れすぎていて幸せを感じられなくなっています。小さな自分、わずかなもので事足りるとする、当たり前のことを当たり前にする、本来の自分を生ききることが理想ですね。」
―それから、『まほろばだより』というのも読みごたえありますよね。
「まほろばでは、商品の情報だけではなくて人生の提案もしてきています。『まほろばだより』は月に一度発行ですが、この編集専任のスタッフがいるほど重きを置いています。世の中に正しい情報が少ないから発信していこうという想いです。これは創業当初から続けているのでもう4000号以上になっていますね。」
―今後どのようにしていきたいかなどの想いはありますか
「思想哲学を持ちながら、変えるべきものと変えてはいけないところを見極めていきたいと思っています」
幸せとは
―大橋さんにとって幸せとは
「生きること、ですね。幸せのハードルを上げるから不幸せになる。ハードルを下げれば生きているだけで幸せで、不平不満もなくなりますよね。」
まほろば
<本店>
住所 札幌市西区西野5条3丁目1-1
電話番号 011-665-6624
定休日 年中無休 正月除く
<厚別店>
住所 札幌市厚別区厚別中央1条3丁目1-23
電話番号 011-894-5551
定休日 祝日(変則)正月
<共通>
営業時間 10:00~19:00
WEBサイト:http://www.mahoroba-jp.net/
○有機・オーガニック ○無添加 ○環境に配慮
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・まほろば自然農園 仁木農場
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