エシカルなひと、もの、ことインタビュー< ひやま農場 さん>
自然栽培のお米づくりを通して自然から学ぶことがたくさんありました
自然栽培米や有機栽培米を生産している檜山雅一さん、奥様であり書家の由美さんにインタビュー。
慣行農業から有機栽培、そして自然栽培へ…大事故がターニングポイントでした
―当別町蕨岱の原野をお父さまが開墾されて、それを後継し、次第に有機栽培や自然栽培に興味を持ち始めたということですが、興味をもったきっかけは
雅一「30年ほど前、友人の車でドライブ中大事故を起こし車は大破。私と友人はかすり傷程度だったのですが、事故を見た人達は言葉を失うほどの事故でした。それでも懲りずに大破した車を復活することに決めたのです。なぜなら復活させたいほどの歴史に残る程の名車でしたからね。事故直後通りすがりの一人の男性から『この車は本物ですか?…この車を治せる人いるよ』と言われ数日後に車の板金の達人に任せる事になりました。でもこの達人がなかなか名車を直してくれないんです。ある日、板金の達人は札幌市南区豊滝のさくらんぼ農園から畑を借りはじめました。実はそれで私も手伝うことになったのです。そのときの気持ちは『早く車を治してほしい。畑はしなくてもいいでしょう…』って思ってましたね。妙な話ですが、これが自然農のはじまりでした。当時は当別で自分のお米を慣行栽培で作りつつ、豊滝へ不思議な農の手伝いに何故か行き続けました。最初は自然栽培は『できるわけない』と思いつつやっていたのに、3年くらいすると記憶に残る味の野菜ができたんですよね。食べ比べると全然違うんです。」
―それから自分のお米にも取り入れようと思ったのですね。
雅一「本当に素晴らしいものだったので、有機栽培や自然栽培を自分たちのお米栽培にも取り入れていきましたが、最初は父親からの反対が強く、3年くらい頑張ったけど一度断念しました。その当時は、農薬を使わないといいものができない、苦しい時代に戻ってしまうという考えが強かったんです。」
―一度断念していたのですね。
雅一「それでも農業情勢が変わり、2005年から個人の農家が個人に直接販売できるようになったので、それとともに農薬の使用量を極限まで減らすお米の栽培をスタートさせました。そのころになると、父親も世代交代を考えていたこともあって、自分の好きなようにさせてくれたんです。最初は一人、二人しか売れなかったけれど、口コミなどで広がっておかげ様でだんだん増えていきました。やはり、無農薬や減農薬のお米が求められていたんですよね。」
自然栽培は、有機栽培とは全く違う観点の農法。自然から学ぶことは本当に多かった。
―そして2010年には自然栽培を始めたのですね。
雅一「(有)MOKUさんとのご縁で『奇跡のリンゴ』の木村秋則さんと出会い、自然栽培の指導を受けました。有機栽培は有機肥料を使って育てますが、自然栽培は、自然の力のみで育てます。有機栽培の時は、もっと身体にいいものをたくさん作ろうという気持ちでしたが、自然栽培は自然が育ててくれているという考え方なので有機栽培とは全く違う観点なんですよね。」
―「人間の力で育てる」というよりも「自然に育てられている」ということですね。考え方自体が異なるのですね。自然栽培は非常に難しいと聞きますが、やはり苦労も多かったのではないですか。
雅一「本当に難しいですよ。除草剤などを使わないため、何度も草取りをしますし、手間がかかります。だけど…私たちは自然に生かされています。たとえば毎日吸う空気は何処かの会社が生産していますか?違いますよね、自然が創り善人悪人関係なく平等に皆が呼吸できていますよね、つまり無償の愛なのです、なのでそこにお金を求めること自体どうなのかなと思ってきています。今はお金というルールがあるだけで、本来はすべてがタダ(無償)ですからね。お金というルールに苦しんでいる人が多いですよね。自分もその一人ですが(笑)。でも地球という場所にいる今、そのルールからも何かを学ばなければならないのでしょうね…。とにかく、自然栽培をするようになって、自然が作り上げたものの素晴らしさを知り、自然はそれを無償で与えてくれることを実感し、仕事やお金を稼ぐことばかりが重要ではないということに気づかされました。」
―確かに、自然は無償で与えてくれますよね。お金は人間が作りだしたルールにしかすぎないですよね…。改めて考えさせられます。
手書きのメッセージで更に想いを届けられたら
―由美さんの書、素敵ですね。ギフトにもピッタリですよね。これは由美さんのアイディアですか?
由美「小学校の時から書道を習っており、結婚後インテリアとして飾れる自由な書を書いていました。それでもお米の袋に書こうと思ったのは思い付きでした(笑)手書きの書にも想いを込めて書いているので、お米に込めた想いが更に伝わるといいなと思っています。2合サイズのお米もあるので、少しずつでも自然栽培米を試してもらいやすいかなと思っています。」
―イベントにも出店されていますね
由美「さまざまなイベントに出店し、こんなお米があるんだっていうことを少しでも知ってもらえたらと思っています」
―エシカルという言葉について、ご存知でしたか?
由美「意味を知って重要なことだと思いました。たくさんの人に知ってもらいたい言葉ですよね。」
雅一「実際、世の中はオーガニックの方向に向かっていっていると思います。オーガニックで経済が成り立つようになればいいですよね。ヨーロッパではもっと先進的で、有機栽培を大規模に行っていますが、日本ではまだ理解が少ないですよね。」
―そうですね。もっと理解が広まり、社会全体の方向性が変わればいいですよね。
幸せとは
―最後に質問です。檜山さんにとって幸せとは
「今も忘れていません。豊滝に行ってた頃のあの感覚。身も心も全てが無償の計り知れない大きな愛に包まれている状態がここにあると感じること。そのためには自然とダイレクトにコミュニケーションをとることがいいと思います。何かを間に介してしまうと別の考えや思惑に惑わされてしまうので、直接というのがいいですね。」
2合サイズのお米 オリジナルメッセージ付き
真空パック300g
自然栽培米又は有機栽培米・低農薬米などのお米がギフトサイズに。お客様の用途に合わせて筆文字でデザインした文字を袋に印刷します。心を込めたお米と書で気持ちが伝わるはず。
ネットショップ:http://riz.shop-pro.jp/
ひやま農場
住所 北海道石狩郡当別町 蕨岱 5684
電話 0133-23-4312
FAX 0133-23-4307
メール information@riz-japan.com
Webサイト http://www.riz-japan.com/
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